歴代の天皇が正式の際に着用される袍「黄櫨染」
「黄櫨染・・こうろぜん」
歴代の天皇が正式の際に着用される袍(ほう)を黄櫨染の袍といい、禁色の最たる色である。
日光を象徴したといわれる赤茶色で、文様は桐、竹、鳳凰(ほうおう)、麒麟(きりん)を織り出したものという。
この袍が公式に制定されたのは嵯峨天皇の弘仁11年(820年)といわれており、以後、代々の天皇がこれを着用されてきた。
現代の天皇も黄櫨染の袍を用いられていることは、即位の礼、立太子の礼などがテレビ中継されたので、多くの方がご存じのとおり。
この染色は、黄櫨(はぜ)の若芽を煎じた汁に、蘇芳(すおう)の煎汁で染め重ね、それをさらに上から黄櫨で仕上げるという手間のかかる複雑なもので、照明によって色々な茶褐色に見えるという。
この複雑な色合いを複製することは容易ではなく、歴代天皇の袍の色でも、同じに見える色はほとんどないそうです。