「ナイルブルー」のお話💙💙💙
1880年代になって、エジプトの母なる大河ナイル川が英語の色名に登場する。この川は太古の昔からエジプトの大地を潤し、古代文明を育ててきたのだから、その名前はヨーロッパでも古くから知られていて当然ではあるが、なぜこの時期になってナイル川が色名に選ばれたのか、その事情は不明である。
何かエジプトに対する社会的な関心が生じるような出来事があったに違いない。とにかく1884年にまずナイルブルーという薄青色の色名がつくられ、次いで1888年にナイルグリーンという薄緑色の色名が誕生している。
できたのはブルーの方が先だが、グリーンの方が一般的によく知られていたようで、アメリカの色彩辞典にもこちらの名前が太い文字で印刷されている。どちらもナイルの水を連想して創作されたようだ。