駱駝色[らくだいろ]
駱駝は推古7年(599年)に百済(くだち)の国から一頭が貢がれてきたということだ。
さらに600年代に2回と861年に渡来したという記録がある。
文政4年(1821年)に雌雄の駱駝が長崎に来て、日本各地を巡回して大人気を博したというのだから日本人が昔はこの動物をまったく知らなかったというわけではない。
もともと日本の伝統色名には動物の毛皮からとられた色名はごく少ないのだが、駱駝色という色名が文学作品などに現れるのは昭和になってからのことである。
もとの英語のキャメルが色名になったのも1916年というのだから、これが日本で毛織物の黄褐色の色名として知られるようになったのがごく最近のことでもいたしかたがない。
駱駝の毛皮というよりは毛織物の色の一般的な色名として知られている。