色の感覚‼︎
私たちが物を見る場合、そこには形があり、それに色がついていると考えがちである。ところが白い絵の具で白い紙の上に絵を描いた場合に、描かれた形が見えないのは何故だろうか。
それは言うまでもなく紙も絵の具も両方とも白であるため、紙の面と絵の間に色の違いがなく、形が見分けられないからである。
すなわち、物を見るということは、色と明るさが周囲のものと違うことによって形を示す輪郭を認め、またその形の表面に明るい部分や、陰影の部分がある時は、それを立体として感じるのである。
このように視覚の根本は色と明るさを見ることに他ならず、しかも明るさというのも色の一つの属性と見なすことが出来るゆえ、結局物体の存在を知覚させるのは色を見分ける事にあると言えよう。
それでは一体、このような色というものはどうして見えるのであろうか。闇夜の鳥という言葉があり、真っ暗で何も見えないことの例えに使われる。確かに真っ暗な所では黒い鳥ばかりではなく、赤い花でも、青い服でも、何もかも見えず、そこには色が存在しない。すなわち色が見えるためには第一に「光」が必要である。