青「浅葱色・・歌舞伎の二枚目の衣装」💙💙
藍色のバリエーションの中でもよく使われるのは「浅葱色」だ。
この色は歌舞伎の舞台にはなくてはならない色で伊達男や若侍など二枚目の衣装の定番。「水も滴る、、」という台詞がぴったりくる。
浅葱色の明るくなったのを「水浅葱」といい、ややくすんでくると「錆浅葱」、さらに灰みを帯びてくると「浅葱鼠」と呼んだ。浅葱色一つにも、さまざまな呼称を与えた日本人の繊細な色彩感覚が感じられる。
多彩な青色を生み出した藍染文化は江戸時代にもっとも開花したが、ここまで複雑な色調を求めた江戸の人々の感性がどこからきたのだろうか。
実は、その背景には当時の封建制度も影響している。というのは、度重なる奢侈禁止令の発令で鮮やかな色や好きな色を自由に使うことの出来なかった庶民が、藍色一つの中に豊かなグラデーションを生み出した。また、その藍色と相性のいい木綿が普及したことも手伝って藍染は、ますます発展した。
人間の色彩への飽くなき欲求の深さを改めて感じさせる。