たまごいろ[卵色]のお話🍳🍳
平安朝の鳥の子色は卵の殻の色だが、近世の染色で卵色または玉子色というのは卵の中身の色からとられた色名である。つまり黄色の色名である。
ゆで卵の黄身の色だったという説明もあるが、かなり薄い黄色のことだから生卵の色といってもおかしくない。それも無精卵みたいな水っぽい色の黄身である。
卵の黄身の色は、鶏の餌によって濃くも薄くもなるそうだから、江戸時代の卵の黄身は薄い色をしていたのかもしれない。
英語のエッグは卵全体を指すが、黄身のことはヨーク(yolk)という。1905年にヨークイエローという黄色の色名がつくられている。日本語の卵色より歴史が新しいだけに、こちらの方が黄色がだいぶ濃い。きっと餌の栄養価が高くて元気な鶏が産んだ卵だろう。