恋する袖と恋愛の色③

「グリーン・スリーブス」

イングランド民謡「グリーン・スリーブス」には、「貴方以外に誰がいるだろう」「なぜ私をこれほどうっとりさせるのか」と緑の袖の貴婦人への切ない思いが綴られ、袖と恋愛との関わりがうかがえます。

中世ヨーロッパでは、緑は恋愛にまつわる色でした。緑は植物に代表される自然そのものの色で、初々しい新緑を思わせ、また青春の色と考えられました。

開墾される以前のヨーロッパは深い緑に覆われており、豊かな生物資源が人々に恵みを与えたことから、森林の緑はあふれる生命の源として神秘的な色とも捉えられました。

春に芽吹く草木が新しい季節を告げるように、実った恋の先には結婚や新しい生命の誕生が予感され、緑が象徴的な意味合いを帯びるようになりました。

一方で、樹木の葉は赤や黄に変わるため、緑は変化してやまない色、不安定さをはらんだ色ともされました。日がささない森林地帯は、盗賊や狼が巣食い、得体の知れない魔物が住む異世界でもあったことで、緑は邪悪さや恐ろしさとも結びつきました。

こうした緑の両面性は、運命や偶然、自由や無秩序、未熟さ、移り気な若者や恋人たち、不誠実な愛といった意味に反映されています。「けれども貴方は愛してくれない」、、、「グリーン・スリーブス」の顚末も、そのタイトルの緑に暗示されているのです。

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