バンザイクリフ🌊🌊
「サイパンのバンザイクリフ」
以前、このお話はブログに書いた事がありますが、今日、平成が終わります。天皇陛下がご訪問された国の一つであるサイパンのお話をさせて頂きます。
サイパンのバンザイクリフは、第二次世界大戦中、多くの日本人(千人、いや千三百人ともいわれている)がアメリカ軍に追い詰められて「天皇陛下バンザイ」と叫びながら自害していったところである。
その海のブルーの美しさは何とも言いがたく怖いほどに美しい。
普通、死を色で表現するとすれば黒や白のイメージが強い。しかし、「バンザイ」と言って亡くなっていった人達の心に存在していたのは、無になる死ではなかったように思える。
この海のブルーの中へ吸い込まれるように亡くなっていった人々は、私にはまるでブルーという色を選んで吸い込まれていったようにも思う。
人の心が深く沈み、心の内側へ向かう時、諦めと孤独と極度に抑制された状態の中で人々はこの深いブルーの中にまるで自ら望むかのように溶けていった。
サイパンに観光や遊びに行く人を見て「あんなに戦争中大変だった所にチャラチャラと行くなんて」と思う年配の方も多いと思う。しかし、その海を前にして意外にも大半の人は祈っていた。茶髪のお姉さんまでもである。
「日本人が沢山、観光や遊びに行っても良いのではないかしら」と思った。だって日本人がもし誰も来てくれなかったら、そこで亡くなっていった人達はとても寂しいかもしれない。日本から遠く離れて不遇の死を遂げていった人々の事をその時だけでも思い出すことが出来るのだから。
まさしくこの人達の死の犠牲のうえに、私達は、今を生きているのだ。